日本への帰省時に欠かせないものが「お土産」。中国に住む日本人にとっても「お土産を何にするか」は頭を悩ませる問題。中国土産の定番といえば、お茶や雑貨、お菓子といったところである。上海もそういった品をお土産にする人が多い。今回はそんな定番の枠にはまらない、ちょっと通向けな上海土産の最新事情を紹介する。コロナ禍が終わり、上海へ観光に訪れる人も段々と増えてきている。そんな観光客の方にもおすすめできるお土産の数々である。
訪れた場所は「徐家匯(シュージャーフイ)」。上海の新宿や渋谷に例えられる賑やかな界隈である。ここに最近オープンしたのが「徐家匯書院」。「書院」とは昔の学校や図書館を指す。2023年に開館した図書館である。歴史建築のカトリック教会と隣接しており、文化の香りが色濃い場所に立地している。図書館にもいくつか見所があるが、今回はテーマがお土産、ということでお土産を扱っている一角へ。
場所は地下一階にある「東西公園」という名のお店。
各種雑貨、上海グッズのほか、工作講座では絵画やコップの絵付けなどを楽しめる。地下鉄「徐家匯」駅3番出口に直結した入口に入ってすぐの場所にある。
まずは実用性が高い文房具やかわいらしい雑貨が販売されているコーナーを抜けて…
最も奥の場所に、上海にまつわるグッズを扱った販売コーナーがある。
こちらは上海の市の花であるモクレンや市内至るところで見られる街路樹のプラタナスの葉、上海の古建築「石庫門」の扉や風景などをモチーフにステッカーやピン、スマホケースなどのグッズが。ふわっとしたタッチのデザインで、女性向けのお土産にいいだろう。
制作しているのは「SQUARE平方」。2016年から中国風のグッズをデザイン企画、販売をしているという。
上海古建築が好きな筆者はピンバッジが気になった。
「SQUARE平方」コーナー裏にあるのは、上海市内にある旧建築群「コロンビア・サークル」をテーマにしたグッズ。
「コロンビア・サークル」上海旧租界時代のアメリカ人の娯楽場だった場所。エリアの中には旧建築があり、それを活かした飲食店や衣料品店が出店している。エリア内に日系書店のTSUTAYAが出店し、フルに古建物をリノベーションしていることから大きな話題となった。
グッズとしては現存しているプールのデザインを型どったマグカップ、また旧建築のイラストポスター、ピンバッジ、ノートなどである。
こちらは上海モチーフというよりも、中国をモチーフとしたもの。
組み立てると中国伝統建築ができあがるミニブロックセットである。
本コーナーもあり、上海をテーマにした書籍を各種取り扱っている。
1990年代の上海をテーマにした大ヒットドラマ「繁花」の原作も販売されていた。
こちらは旧上海の建築をモチーフにしたタイル。見知った旧建築だったり、「あれ、これはどこだろう?」と考えてみるのも楽しい。旧建築の一部の装飾のタイルもある。筆者も「うーん…ここは…?」とうなってしまった。
こちらは「噱」ブランドのグッズ。上海街歩きツアーを企画しているガイドを中心に企画作成している。
スカーフ、ファイルホルダー、ピンバッジの他、ユニークなものでは、「上海ちょっとなつかしいもの」な、ビスケット缶、ナポリタン(上海は洋食も昔から属されている)、上海マーク入のグラスのミニチュアまでも。見るのも楽しいグッズである。
また、旧租界時代、共同租界に置かれたマンホールの蓋グッズもあり、
上海の街を細かく観察して歩いている街歩きガイドならではの視点のグッズである。
こちらのコーナーではブランドにかかわらず、布バッグがまとめて展示販売されている。上海の旧建築、家具、会社のロゴなどがデザインされている。
クリアファイルコーナーはポップで軽快なイメージのイラストデザイン。
中央下のクリアファイルは上海名物の点心(軽食)である、小籠包を見せつつ、せいろに上海の建築要素をもたせていたり遊び心が感じられる。
「徐家匯書院」のグッズコーナーもある。
お土産ではないが、奥のコーナーではミニ油絵など、アート体験ができるスペースもある。
今回は感度が高い上海土産を紹介した。人に贈る贈答等の土産としてだけでなく、上海を愛する人が自分用に購入してももちろん良いだろう。グッズを通して自分の手元で上海を感じるられることも、またひとつの幸せである。
「徐家匯」
場所:上海市漕溪北路158号(地下鉄「徐家匯」駅、3番出口出てすぐ)
開館時間:月曜休、9:00-21:00
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