2010年11月30日、中国広西チワン族自治区合山市ある廃線となった石炭を運搬していた鉄道が、カラフルなレインボーアーチを描く観光スポットとして生まれ変わりました。
レインボートンネルを楽しむ観光客
(出典:騰訊新聞)
この鉄道は廃線後、地元市民が2014年に「鉄道サイクリング観光」として廃線跡を再利用するプロジェクトに着手したそうです。それまでの4年間、雑草が生え放題で、レールも草で覆われ見えない状態。石炭の街として繁栄して来た合山市は、この「資源の枯渇」という現実に直面。これまでの「石炭の街」としての文化と産業跡地を上手に活用し、観光資源として再生できないかという期待を込めて、このレインボートンネルを作っています。
カラフルなトンネルが続く
(出典:騰訊新聞)
沿線は約8.3キロメートルあり、ウクライナのクレーヴェンにある廃線を再利用したトンネルを参考に、観光スポットとして設計したそうです。このウクライナの廃線トンネルは、「カップルがトンネルをくぐると願いが叶う」と言われる、緑の木々に囲まれたロマンチックな「愛のトンネル」で、テレビやネットで話題となる大人気スポットです。その人気にあやかって...ということではないと思いますが、沿道にフラワーラインをつくり、自然を活かした設計に、「レインボートンネル」でカラフルなアーチを加えたサイクリングコースを作ったそうです。
完成後はとても廃線となった鉄道とは思えないほど見違え、訪れる観光客もびっくり。若者やカップルもそのカラフルなトンネルと沿線の自然を楽しみながら、お約束の自撮りもバッチリきめています!自転車はお年寄りやお子様でもこぎやすい設計で、家族で訪れても楽しめるように工夫されているそうです。
雑草に囲まれたレールを再生(出典:騰訊新聞)
さらに、このサイクリングコースの終着点には炭坑跡地があり、観光客は炭坑の歴史を振り返ることができるようにもなっています。
ちなみに、広西チワン族自治区と聞くとあまりなじみがないかもしれませんが、日本人にも有名な桂林があるところです。少数民族文化や大自然のおりなす観光スポットが満載の地区ですが、このレインボーにのせた合山市の観光資源への「希望」がどこまで観光客の心に届くか、産業都市から観光都市への転換が成功するか、これからが本番ですね。