ユーラシア大陸横断の旅と言えば、沢木耕太郎氏の『深夜特急』でしょうか。タレントの有吉弘行さんもかつて「猿岩石」としてヒッチハイクの旅をしましたね。中国でもこのほど、30歳の男性が中国の成都からフランス・パリまで約4万キロのヒッチハイクを成功させました。
パキスタンで警察官と記念撮影する李振さん(出典:新京報)
この偉業を成し遂げたのは、李振さん。李さんは今年6月、仕事を辞めてヒッチハイクでパリを目指す一大決心をしました。そしてありったけの預金を引き出して、7月13日に成都を出発しました。ヒッチハイクの旅は決して楽なものではなかったようで、道路でいくら待っても全く車が停まってくれない日もあったとか。新疆では地表温度70℃の中で5時間近く待つという経験をしたそうです。
中国青海省でヒッチハイク(出典:新京報)
中国を抜けて入ったパキスタン国内では、タリバンの活動地域を通過。ヒッチハイクは禁止され、チャーターした自動車に乗り、イランに入国するまで警察車両と警察官の護衛を受けることに。そしてイランでは、両替ができず資金が底をつくピンチに遭遇。この危機を救ってくれたのは、たまたま中国語ができた英国人の銀行マネジャーでした。
パキスタンではこんなヒッチハイクも……(出典:新京報)
その後イランからトルコに入った李さんは心身ともに疲労困憊で、リタイヤも考えたようです。しかし再び気力を振り絞って前進を続け、9月初めにはついにヨーロッパへ。ギリシャ、イタリア、バチカンを経由して10月21日に目的地のパリに到着し、実に105日に及ぶ旅に終止符が打たれました。
エッフェル塔をバックに。ずいぶんスリムになっています
(出典:新京報)
ユーラシア横断ヒッチハイクの旅を見事成し遂げた李さん、当初はふくよかでしたがパリ到着時には体重が50キロ程度にまで落ちたとのこと。「他人、とくに女性にヒッチハイクの旅はおすすめしない。自分もできる限りやらない」と語っています。