11月18日、中国3大ポータルサイト・騰訊のニュースチャンネル「騰訊新聞」によると、雲南省大理に、音楽の生きた化石と称される民間合奏「洞経古楽」の楽団があり、なんと平均年齢72歳の老人18人で構成されているという。
平均年齢72歳の楽団「福縁会」(出典:騰訊新聞)
「洞経古楽(ドンジングーユエ)」は、ユネスコの無形文化遺産にも認定されている、中国最大規模の民間合奏だ。漢族の道教音楽、宮廷音楽、民間音楽が融合したもので、主に道教の経典『玉清無極総真文昌大洞仙経』を演奏することから、「洞経」という名が付けられた。吹く、弾く、打つ、歌うなど多種多様な音楽表現をし、「中国の民間オーケストラ」とも称される。起源は四川省とされ、雲南省などの地で発展した。
さまざまな楽器で奏でられる「洞経古楽」(出典:騰訊新聞)
雲南省大理市大理鎮才村には、平均年齢72歳の老人18人で構成された「洞経古楽」の楽団がある。楽団名は「福縁会(フーユエンフイ)」。貴重な文化遺産である「洞経古楽」をより多くの人に伝えるため、村の冠婚葬祭の際に無償で演奏をする。
「洞経古楽」で新築落成を祝う(出典:騰訊新聞)
11月9日は、村民・楊剣英(ヤン・ジエンイン)さんの新築落成祝いだった。楊さんは、この日を祝うため、「福縁会」に演奏を依頼した。楊さん曰く、「福縁会」のメンバーたちは、一般的に報酬を受け取らず、三食食事を提供するだけで良いという。もちろん、裕福な家庭は老人たちに敬意を示し、ご祝儀を別途用意する。この日も、途中、食事休憩などを含み、夜10時まで演奏は続いた。
年季の入った楽器で演奏する老人(出典:騰訊新聞)
楽団員によると、「福縁会」はすでに結成30年以上たっており、「洞経古楽」は百数首演奏できるという。以前は楽団の構成人数も多かったが、ここ数十年でこの世を去る楽団員もおり、残されたのは、今の18人のみとなってしまった。楽団の運営経費も厳しく、ボロボロになった楽器を捨てずに演奏し続ける楽団員もいる。
演奏を終えた楽団員たちは、今日も長年愛用している楽器を背に帰路につく。
楽器を背に帰路につく(出典:騰訊新聞)
参考元:http://news.qq.com/original/oneday/2514.html
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