6月8日、中国新聞網では、端午節の三連休(6月9日〜11日)を前に、休暇を帰省や旅行で過ごそうとする利用客で混雑する交通機関の様子を紹介した。
帰省客や旅行客で混雑する新幹線「杭州東駅」
(出典:中新網)
日本の端午の節句(5月5日)は子どもの日として定着しているが、中国の「端午節」は旧暦5月5日で、毎年その日にちは変わり、今年は6月9日。政府が決めた法定休日で三連休を迎えている。
「端午節」と言えば「ちまき」で、この時期になると、スーパーや路面店に特設の「ちまき」コーナーができる。「ちまき」を食べるのは古くから伝わる端午節の風習で、地方によりその形状や素材、中の具材が違う。例えば、具の素材で見ても小豆餡入りや肉入り、卵の黄身入りなど多種多様だ。もとはそれぞれ家庭の味があったようだが、近年は手作りする人も少なく、ほとんどが市販の「ちまき」を準備するようだ。また、職場でも福利厚生の一環として従業員に「ちまき」を配布するので、ますます家庭で作る需要が減ってきているのかもしれない。
もともと、「端午節」は、愛国者でありながら河に身を投げて亡くなった楚の国の「屈原」を偲ぶ伝統行事。伝統的な風習では、家族で「ちまき」を食べ、厄除けや毒除けとしてショウブやヨモギの葉を門にさし、健康を祈願してきた。
近年ではライフルタイルの変化にともない、その過ごし方も多様化している。とりわけ、国内外の旅行が手軽に楽しめる時代となり、若者を中心に三連休を地方の観光地や海外で過ごす傾向が増えている。このため、連休になると、大都市では観光スポットをのぞき、市内は閑散とするので、比較的静かに過ごすことができる。都市居残り組がカフェやレストランで友人や家族とゆっくりお茶を楽しむなどくつろぐ姿も多く見られる。こうした傾向は今後ますます大きくなるだろう。
ちなみに、一般的に祝祭日や「○○節」を迎えると、中国語ではその祝日の後に「快楽」や「愉快」をつけ、「春節快楽!(旧正月おめでとう)」や「聖誕節快楽!(メリークリスマス!)」とかけあうが、端午節はその由来からおめでたい日ではないため、「端午節快楽!」ではなく「端午節安康」と言う。「安康」は平安無事、無病息災のこと。ちまきを食べても食べなくても今年がみな「安康」であるように祈る。
上海の玉佛禅寺では1万個のちまきを無料配布。(出典:中新網)
参考:http://news.qq.com/a/20160609/003285.htm#p=1
http://money.163.com/16/0609/21/BP59LGV400253B0H.html
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