中国では8日に春節(旧正月)を迎え、お祝いムードに包まれています。故郷に帰る人たちによる、列車を中心とした激しい帰省ラッシュはこの時期の風物詩となっていますが、このほど生きたブタ数頭が列車に乗っている画像がネット上で物議を醸しました。
列車の通路を占領するブタたち(出典:騰訊網)
話題になった写真を見てみると、車両の通路の一部を丸々太ったブタが占領しているのが分かります。写真は「ブタが年越しで帰省するために列車に乗っている」といったタイトルで拡散し、SNSだけでなく現地メディアの多くでも紹介されたとのことです。
少なくとも6頭ほどいるようです(出典:騰訊網)
帰省で混雑する列車にブタを何頭も乗せるとはなんと迷惑な……と思ってしまいますが、写真を撮影した河北省のカメラマンは「写真が誤解されている」と心を痛めているようです。カメラマンによると、この写真は昨年11月に四川省の涼山イ族自治州で撮影したとのこと。同自治州はチベット高原東側を横断する山脈の北部にあり、険しい地形ゆえに広い道路が作れず、外部との行き来は鉄道でしかできません。
頭をかく乗客を尻目に、リラックスするブタたち(出典:騰訊網)
しかもこの地域は貧しく、ブタを育てて売りに出して何とか生計を立てている状況。ブタを運ぶには列車に乗せる以外にありません。中国では生きた動物を列車に乗せることが禁止されていますが、鉄道関係者は「この状況では致し方なし」と黙認しているのだとか。カメラマンは「特殊地域の特殊な状況を、事実をみんなに知ってほしい」と語っています。
参考:http://news.qq.com/a/20160205/027008.htm#p=1