今日は、香港でよく食されている「亀ゼリー」について、ご紹介したい。
亀ゼリーは香港だけでなく、中国の南部でよく食されている漢方デザートの一種であり、広東語では亀苓膏(グワイリンゴウ)と呼ばれている。
この亀ゼリーはその名の通り亀の甲羅のお腹側の甲羅を干して玉砕したものと、多くの漢方を一緒に煮込んで作られたゼリーで、香港では健康食・美容食として定着している漢方デザートだ。
亀ゼリー専門店で山積みになっている商品
街なか、特に下町を歩けば亀ゼリー専門店や、涼茶舗と呼ばれる漢方茶や亀ゼリーを扱う店舗が所どころに目につくはず。また、許留山など香港デザート専門店でも亀ゼリーを扱っている店は多い。
どこも引っ切り無しにお客が訪れて、注文をして食べ終わると直ぐに店を出ていく。その様子を見ていると、
老若男女とも 亀ゼリーを食べるというその行為が 生活の一部になり 習慣化しているのが分かる。
その真っ黒な見た目と、漢方茶を扱う店特有の匂いや亀ゼリーという言葉から、亀ゼリーに苦手意識を持つ人もいるかもしれない。しかし甘味こそないが ツルリとした食感で食べやすく、実際に食べ始めるとあっという間に完食してしまう人が多い。また、甘味が欲しい人は店においてある蜜をかけながら食べれば、デザートという名の通りとても美味しく食べることができる。
亀ゼリーと蜜(シロップ)
ではこの亀ゼリー、一体どんな効果があるのだろうか。
亀ゼリーには内臓や肌にとても良いといわれているが、一番よく目につくのがその解熱や排毒効果。体に篭った熱や毒を排出するという。亜熱帯の蒸し暑く湿気が多い香港にぴったりの、夏バテ解消に役立つ食べ物なのである。
店内にあるメニューにも排毒の文字が見て取れる
また、女性には嬉しいコラーゲン摂取にも一役買っている。亀の甲羅から出るコラーゲンは美肌の育成に効き、また先ほどのデトックス効果でニキビを防ぐことができる。筆者の友人は、週に1度の亀ゼリーを長年の習慣にしている。
世界一の長寿の地域として知られるようになった香港。ここ香港には医食同源が根付いており、食べ物やスープなど 口にするものはその日の天候や体調に合わせるのが当たり前の場所だ。
そんな香港で長年食べ続けられている亀ゼリー。その効果に期待は高まるばかりである。
香港へ来たら、是非とも亀ゼリーを試していただきたい。(文/写真、香港コーディネーター 矢島園子)
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