オミクロン株の影響を受けた観光地「九份」の現在をレポート

全体感染者が平均6万人ほどに減り、少しずつであるが落ち着きを見せ始めた台湾。しかしながら死亡者が連日100人を超えており、まだまだ油断はできない状況だ。

台北、新北のある北部エリアはピーク時の半分近くにまで感染者が減ってきているが、現在中南部の感染者の高止まりが続いている。特に台南エリアの医療が逼迫しており、月曜日の時点で使用病床数がピークを迎えている。

 

今後この一波は収束に向かうとされているが、非常に気になるのが新変異株BA.4とBA.5の存在だ。特にBA.5は感染力が更に強く、台湾でも既に入国者から検出されている。専門家は今後社会へ影響を与え始め、9月にはまた9万人の感染者が出るのではないかと分析している。

 

台湾人の生活を大きく変えた今回のオミクロン株感染爆発、多くの飲食店や観光業に携わる人々が「去年の警戒レベル3が発令された時期よりも売り上げに影響が出ている。」と嘆いている。ピーク時には台北市内のバス停や公園など、至る所の人流が半分に減ったとされ、今現在も3割減の状況だ。

 

特に影響を受けているのが市街地より少し離れた所にある観光スポットだ。

今回は日本人にも特に人気のエリア、九份(ジョウフェン)の現在の状況をレポートしようと思う。 

 

シャッターが並ぶ老街

 

コロナが始まって以来、最も打撃を受けた観光地とも言えるほどの観光客の減少具合だ。その理由のひとつとして「降り続く雨」が挙げられる。

新北市内にある九份は市街地から距離がある、海外からの観光客であれば、人気の観光地「九份」は「雨が降っても行きたい場所」であったが、地元の台湾人にとっては雨が降った事で「また次に行こう」と予定を変更してしまう傾向にあるようだ。

特に今年は降水量が多く、九份で店舗を経営する女性曰く、「今年に入ってから、雨が降らなかった日が10日もない。」とのこと、この降り続く雨も客足に大きな影響を与えているようだ。

 

平日は人通りが少ないので土日だけ営業する店も多い

 

今回の感染爆発の前までは観光客が徐々に戻りつつあったが、以前のブログでも説明したように、「地元の観光客は土産物を買わない」という点も衰退のひとつの要因のようだ。海外観光客を相手にした茶芸館は地元の台湾人にとっては割高であり、やはり値段の手頃な庶民料理の店に立ち寄る人が多い。

観光客を相手にしていた店は経営が困難となり、閉店ラッシュが起きてしまった。店によっては経営方針を変えて100元以下のスナックフードを売り始める店も増えている。

 

かつては観光客がひしめきあい、歩くのも大変だった階段

 

今回のオミクロン感染爆発が九份に更なる打撃を与えている。

また以前の賑わいを取り戻せるように祈るばかりだ。

 

 

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