電子給付金に沸く香港

香港政府による第2回目となる給付金配布が始まった。ちなみに1回目は昨年で、香港永久居民1人あたり1万ドルずつ。当時は郵便局や指定銀行へ一括振り込みがされ、引き出しも使い方も自由であった。

 

今回の配布は2回目となるが、配布されるのはなんと「電子消費券」。これは落ち込んだ経済を上昇させるため、あえて期限や利用範囲を設けられる電子消費券という形にしたと言われてる。電子消費券と言ってもピンと来ないかもしれないが、いわば電子マネーである

 

この電子消費券は香港市民の大部分が所持をしている「オクトパスカード」(電車、バスなどの交通機関、街市、コンビニ、レストラン、スーパーなどで使用できるチャージ式のICカードのこと)、通常生活でも若者を中心に広く普及&利用されている「アリペイ香港」や「WeChat Pay香港」、「Tap & Go」という4社から個々選択が可能で、選択をしたアプリやカードにチャージされることになる。

 

受け取りについては、例えばアリペイ・WeChat Pay・Tap & Goのいずれかを選んだ場合、インターネット経由での申請を7月4日~17日の間に行った人には8月1日に2,000ドル、10月1日に3,000ドルと2回に分けて該当アプリにチャージされる。ちなみにこれらの利用有効期限は12月31日。

また7月18日~8月14日に申請を行った場合は9月1日、11月1日と2回に分けたチャージが行われ、1月31日が有効期限となる。

 

筆者はアリペイ香港を選び、7月21日に申請が完了。第1回目の受け取りは9月1日となる。これらの申請はインターネット上に設けられた専用サイトにて行ったが、申請の進み具合は携帯電話にメッセージが送られてくる。毎度の事ながら非常にシンプルで分かりやすく、また履歴が残り安心できるサービスである。

 

香港給付金

筆者の携帯電話に送られてきた履歴

 

7月17日にインターネット上で申請、21日に申請完了及びアリペイへの入金日の連絡が来ている。

 

この給付金スキームが発表されて以来、友達や仕事仲間の間では「どのツールを使う?」「何を買う?」等の話題で持ちきりであった。消費と経済活動の活発化を目的としているため、配布された消費券(電子マネー)は銀行などへのトランスファーや現金化はできない。また公共料金、寄付、金融商品、授業料などにもあてられず、香港以外のECサイトでも利用ができない。

 

それでも5000ドルは嬉しいのである。ある人は日々の生活費に充てたいといって、交通費やマーケットやスーパー等での買い物に便利なオクトパスカードを選択。ある人は大きな買い物をしたいと言って電化製品屋を見て回り、そこで使えるツールを選択。皆、事前のリサーチに余念がなかった。

 

そして去る8月1日、多くの市民が第1回目の給付である2000ドルを受け取った。当日はオクトパスに消費券をチャージしようとコンビニの前に行列ができたり、多くのモールなどではかなりの賑わいを見せ、真っ直ぐ歩くのも困難なほど賑わった。そしてどの人の手にも大きな荷物が携えられていたり、家族や友達と出歩く人びとは嬉しそうであった。

 

またチャンスを利用しようと、各モールやデパート、店舗などでは工夫を凝らしたプロモーションを実施している。聞いた話では、とあるモールで消費券を利用顧客は「消費した金額と同じだけのクーポン」が貰えるとの事で大混雑になったという。因みに筆者の友人は狙っていた人気電化製品を買おうと夕方店へ行ったら、既に売り切れていたとの事。

 

香港給付金

ちょうど夏のプロモーション、セールを行っている季節

尖沙咀のデパート前には5000ドルの文字が描かれたバナーがかけられていた

 

こうして始まった第2回目の給付金。電子マネーという方法は条件などで縛りをつけやすい為利便性が高い上、コロナの中で現金を避けるという安全性も保たれており、香港という都市らしい選択だったと思える。そして時期をずらした配布や2次配布を控えており、まだまだ街も人も活気で賑わいそうである。

 

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