日中は真夏のような暑さとなった台湾、7月に入り2021年も後半へと突入した。6月26日に屏東で初めて確認されたデルタ株はマスコミの間で「Delta大魔王」との呼び名で報道され、台湾の人々を震撼させたが、その後感染者が出た村での早急なワクチン接種と積極的な検査が功を奏してか、今の段階ではデルタの感染は拡大せず抑えこむことが出来ているようだ。
通常であれば自粛を促しながら、7月1日には地域の店を再開する事ができていたが、今回の台湾での感染拡大でよく聞かれる「自主封城(自主的なロックダウン)」を村の人々が率先し、感染が発覚してから10日程経っても徹底的なステイホームを心がけていたようだ。このように一人一人の心がけで、感染を抑え込むことができるのだという事を証明した10日間でもあった。
しかしながら、デルタ株の感染が出た地域は愛文マンゴーの有名な産地であり、ニュースでは名称を伏せていたが「農業関係者1名がデルタ株に感染」と報道された事で、収穫期であったマンゴーに風評被害が発生し、大量の注文キャンセルが起こってしまった。
日本ではアップルマンゴーとも呼ばれる愛文マンゴー
近年は日本のスーパーや通販サイトでも購入ができるようになった
去年から続くコロナの影響で飲食業へのダメージが大きく、既にマンゴー農家への影響も出ていたが、更にデルタ株による風評被害まで起きてしまい、現在台湾では被害にあったマンゴー農家を助けようと多くの注文が殺到しているようだ。
この一週間、台湾全体の感染者数は50人を下回る事が多くなり、7月12日に向けた警戒レベル3の解除が現実味を帯びてきた。外食文化が定着している台湾人にとって、飲食店は非常に大切な存在であり、感染防止の為とはいえやはりテイクアウトのみでは売り上げが伸びず、レベル3開始以来、毎日のように閉店のニュースを目にするようになった。
売り上げが伸び悩む為、自主的に休業している店も多数
特に海外観光客から人気の店は鎖国状態による売り上げの低迷に更に店内飲食禁止のレベル3が追い風となり、既に撤退した店も非常に多い。
日本人観光客が台湾に戻る頃には今まで見た街の風景が様変わりしているのではと不安になっていたが、そろそろそれが現実味を帯びてきている。現在台湾はコロナが与える影響をまざまざと実感しているのだ。
コロナの一刻も早い終息を願うばかりだ。
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