波乱だった台湾の一週間をレポート

日本のニュースでも多く取り上げられていたと思うが、今までコロナウィルスの押さえ込みに成功したとされていた台湾がこの一週間で感染者数を爆増させてしまったのだ。

 

イギリス型の変異種が現在日本をはじめアジア各地で猛威を振るっており、台湾にも牙を剥いている。海外からの入境者へ罰金制度を駆使した厳しい隔離方法を行なってきた台湾だが、それだけ今回の変異種の威力が強いのだという事を思い知らされた一週間でもある。

 

5月11日には感染源不明(その後ほぼ判明)のクラスターが発生した事で警戒レベルを2に引き上げ大型スーパー家樂福やマクドナルドが入店時に名前と電話番号を記入する「実名制」を実施し、その後こぞって他店も実施し始めた。同時に室外での500人以上、室内100人以上の活動を禁止とした。レベル引き上げのニュースが報道されてから、ロックダウンへの心配が市民の間に起こり、台北、新北のスーパーに人が押し寄せ商品棚が空になる現象が起きた。政府は買い占めをやめるように促していたが、去年の日本を始め他の国々で起きた買いだめの様子をテレビで見ていた事も影響しているのではなかろうか。

 

食料品や日用品の他に、やはり消毒用アルコールやマスクに人々が殺到し、去年のコロナの感染発生時を思わせるような事態となっていた。インターネット上では200元だった業務用アルコールが700元に値上がりする事も…。

 

筆者自宅近くの小さなスーパーもアルコールが売り切れていた

 

去年と同じように「ティッシュパニック」も

 

日本と違う点はやはり驚くべき政府のスピードの速さだ。日本では後手後手の政策に批判が出ているが、台湾ではレベル2に引き上げた時点でもう既に「レベル3への可能性も大いにある」という事を伝えている点だ。日本なら国民のパニックを恐れて常に「現時点では問題はない」と繰り返していただろう。

 

そして15日には警戒レベルが3に引き上げられ、室外でのマスク着用が義務付けられ(違反者には罰金)室内での5人以上、室外での10人以上の集まりが禁止された。

 

そして更なるダメージが「停電騒動」だ。長引く暑さが影響し電力の使用量が大幅に増え、中南部の水不足も市況した為、変電所にトラブルが起き、各地に十分な電力供給ができなくなったのだ。なんと週に2度も起きてしまい謝罪会見が行われた。

 

スマホに送られた警報、台湾各地で計画停電が実施された

 

その4日後も同じ警報が

 

筆者は計画停電のターゲット地域に暮らしていた為50分ごとに起きる停電に何度か振り回された。

 

歴史にも残るであろうこの台湾の波乱な一週間。ぜひスピード感のある対策でコロナの押さえ込みに成功して欲しい。

 

 

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