本日は香港で身近に食べられている「植物肉」をご紹介してみたい。ちなみに香港は菜食文化が非常に普及している場所である。
筆者が日本を出た十数年前は、日本で菜食主義といえば精進料理的なものやサラダばかりの食事を想像しがちであった。ところがその当時から香港の街中いたる所では、ベジタリアンの看板を見つける事ができた。それは意識が高い西洋系のカフェやレストランに留まらず、インド料理、エスニック料理に始まり中華料理でも多くのベジタリアンレストランが存在する。多宗教、多民族が集まる香港では当たり前のことなのかもしれない。
そんな香港、身近なスーパーでも手軽にベジタリアン惣菜などを買うことができる。そしてこの数年注目されているのが冒頭の「植物肉」だ。この植物肉は大豆などの植物から作られた代替肉のこと。この数年、この代替肉を利用した商品がレストランで登場したり、スーパーでは専用のコーナーが設けられるにまで至っている。
こちらはとあるスーパーの代替肉コーナー。香港のごく普通の市民が足を運ぶスーパーであるにも関わらず、アメリカ発代替肉の会社として注目を浴びている「インポッシブル・フーズ」の製品が見事なまでに並べられている。
あるスーパーにおかれているインポッシブル・フーズ専用売り場
商品には大きく「BEEF, MADE FROM PLANT (植物から作られたビーフ)」と書かれている。大きな代替肉の塊で70ドル弱。通常の肉も値上がりしてきている事を考えれば、決して高い値段ではない。そして代替肉の塊の横には、この肉を利用して作られた餃子や饅頭、レンコン餅といった製品まで並んでいる。
シンプルなパッケージに描かれたBEEF, MADE FROM PLANTSの文字
インポッシブルフーズの代替肉を利用した製品
このインポッシブル・フーズが開発した代替肉、何が特徴かというと肉好きの人も納得できる肉らしい味だといわれている。原料は大豆に含まれるたんぱく質とのこと。その原料から本物に近い肉らしい色や味が生み出されるようになる。
インポッシブル・フーズはアメリカの会社であるが、「香港企業が開発した代替肉」も存在する。それが「オムニ・ポーク」だ。このオムニポーク、味も食感も限りなく豚ひき肉に近いという事で、様々な宗教や食文化が混在するアジアで人気が出てきているという。
外国製品が比較的多く置かれているスーパーで見つけた、オムニポーク専用売り場がこちら。
香港発のオムニポーク商品の専用売り場
オムニポークの原料は、しいたけ、えんどう豆、大豆、米だという。
インポッシブルフーズの代替肉同様、オムニポークの植物肉を利用したライスヌードル、もち米ご飯なども売られていた。いずれも30ドル~40ドル台とリーズナブル。
スーパーで買えるオムニポーク商品
オムニポークの商品ラインナップ
またこのオムニポーク、現在は高級なレストランをはじめとし、カジュアル・レストラン等多くの場所で取り入れ始められている。
こちらはローカルに人気のカジュアルピザ店のメニューでみつけた、オムニポークを使ったピザ。持ち帰りをして食べてみると、普通の肉の食感があるにも関わらず、非常にあっさりさっぱりと食べられて満足感も大きかった。
カジュアルなピザチェーン店にもオムニポークのメニューがある
ピザメニュー
ルッコラを載せる前のピザ、肉の塊のように見えるものがオムニポークだ
値段も控えめ、そして味や食感が本物の肉のようであれば、これからもどんどん需要が増えていくに違いない。(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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