メイド達で埋め尽くされる日曜日の歩道橋

香港には総人口の約5-8%程度の外国人メイドがいるのだという。(調べた資料によって数値が若干違った為、ここでは5-8%程度と記載をしたい。)

 

物価や家賃が非常に高く、住宅事情が悪い香港。社会人になっても1人暮らしをする余裕はなく、結婚をしてやっと実家を出るという人が多い。そして、結婚後は一定水準の生活をする為に夫婦共働きを強いられる事になる。女性は出産ギリギリまで働き、子供を産んだら職場復帰をする。

 

そんな共働き夫婦の為に家事をこなし、子育てのヘルプをするのが外国人メイド達である。メイド達は雇い主家族と一緒に狭い住宅に暮らし、家事をこなしていく。親の代わりに子供の幼稚園・学校・塾の送り迎えをする。

 

香港人が外国語に精通しているのは、小さな頃から勉強を始めるという他に、外国人メイドに育てられて身近に外国語がある、というのも理由ではないかと想像している。

 

そんな香港に欠かせないメイド達の唯一の休日は、日曜日(及び祝日)。休日ともなると、狭い香港の家を出て同郷の友人たちと共に過ごそうとするメイドが街に溢れる。これが香港ならではの光景の一つになっている。

 

とある日曜日の夜、若者の街として知られるモンコクのある歩道橋での光景。

 

休日になると街で買い物をしたり故郷へ物資やお金を送ろうとするメイド達の姿が多く見られる。公園や歩行者天国になっている道路、また 雨風を凌ぐことができる歩道橋やビルの下といった場所は、多くのメイドが集まり、友だち同士でグループになって過ごすのに適した場所だ。彼らは朝から夜遅くまで仲間同士で過ごすために、大きな荷物を抱えてやってくる。そして、屋外で調理をしたり音楽をかけて踊ったりしながら、休みを過ごしている。

たとえ屋外であったとしても、狭い香港の住宅でオーナー家族たちと休日を過ごすよりは、友人と一緒にリラックスできる場所にいたいのであろう。

 

メイドが多く集まるスポットは、人と荷物があるので歩くのが困難になる程。

 

歩道橋の両側いっぱいに集まるメイドたち。

 

この写真の歩道橋は、赤い屋根のミニバスが整列するのを見下ろしたり、地元の人が集まる屋外市場を見下ろせる撮影スポットとしても有名な場所。ただ、日曜はメイド達が場所取りをしている為、撮影は殆どできなくなる。ただ、そんな光景もまた香港の顔である。

 

このように多くのメイドが集まるスポットは香港中に存在している。国ごとに集まる地域が偏るこもある。例えばセントラル付近はフィリピン人が多く、コーズウェイベイ付近はマレーシア周辺の方々が集まる、等など。ただ皆に共通しているのは、底抜けに明るいという事。クリスマス前やそれぞれの国の祝い事前ともなれば、ダンスをしたり歌を謳ったり、束の間の休日を心から楽しんでいる様子が伝わってくる。

 

彼らと同じ外国人労働者としてこの地にいる筆者としては、見習いたいバイタリティだ。(写真、文:香港コーディネーター 矢島園子)

 

 

 

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