北京市文化観光局の統計によれば、今年の第三四半期までに、北京での商業公演は3万5561回に達し、延べ観客数は884.7万人を超え、興行収入は18.8億元を超えた。それぞれ前年同期比で126.9%、199.7%、280.9%増加している。今年の北京のエンターテインメント市場で際だって見られた特徴は、初演の作品が多いこと、大規模公演実現を支える効率的な審査が行われたこと、新しい領域へ進出する演出が増えたこと、オンラインエンターテインメントの品質と頻度が向上したことが挙げられる。これらの特徴を一つひとつ見ていこう。
初演ラッシュ
今年の春、文化活動の復帰を先駆けて迎えたのは、北京西部に位置する商業地区のランドマークである華熙・LIVE五顆松のキャデラックセンターだ。2023年3月の中旬から12月までに、ここでは総計72回の大規模な文化活動が開催された。そのうちの44回を占めたコンサートにおける初演率は32%で、連続公演のコンサートが全体の57%を占めている。
効率的な審査
大規模公演を迅速に立ち上げることと、効率的な公演審査サービスが提供されることとは切っても切り離せない。北京市文化観光局の統計によれば、2023年1月から10月まで、市および区の文化観光行政機関が審査した各種の商業公演活動は、2019年全体と比べて31%上回った。現在の市および区の審査申請は、全プロセスがオンラインで行われている(オンラインが困難な申請者のための郵送サービスもあり)。申請者は手続きのためにあちこち走り回ることなくオンライン申請を行い、審査意見を反映させた必要書類を適切に揃えて提出することで、スムーズに公演許可を得ることができる。これにより、運営事務局をはじめ関係各企業の業務処理の便益も向上している。
新しい領域の台頭
2023年に数を伸ばした公演数において伝統的な演出が根強い存在感を示す一方で、エンターテインメントの新しい領域を取り入れた公演も急増し、北京市場を革新する力となっている。エンターテインメントとゲームの没入感ある雰囲気、そしてエンターテインメントと飲食の複合型消費が、新しいトレンドとなっている。
オンラインエンターテインメントの品質と頻度の向上
急速に市場を回復しているオフライン公演だが、一方でコロナ禍の間に台頭したオンラインエンターテインメントの形態はこれに圧迫されることなく、むしろ定着している。先日、北京市文化観光局は北京市エンターテインメントサービスプラットフォームの第一弾として、5つのオンラインエンターテインメントサービスプロジェクトを選定したと発表した。その5つとは、①国家大劇院のクラシック音楽チャンネル、②保利クラウド劇場――デジタル演出文化エコシステムプラットフォーム、③東方大劇院、④「大戲看北京」クラウド演播オンライン展播、⑤新しいライブハイビジョンデジタルシアターである。これらは多種多様な芸術形式を網羅しながら国内外の有名な文芸劇団をカバーする100以上の優れた舞台芸術作品を擁し、大画面から小画面までさまざまな端末を通じた異なるシーンでの鑑賞サービスを提供することで、多チャネル、多コンテンツ、多形式の展示と放送を実現している。
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