中国の方々とビジネスをしたり、コミュニケーションをとるときに大事にしなければいけないことの一つは「メンツ」です。メンツは中国語で「面子(ミエンズ)」といいます。
「給我面子(私のメンツを立ててくれ)」なんてフレーズをたまに聞くことがありますが、相手のメンツを立ててあげると、交渉がうまくいったり、気持ちよく仕事ができたりするので、これ本当に大事なんです!
最近聞いた中国のメンツ文化の例で、とても面白かった例え話があって、今日はその話をちょっとしようかなと思います。
ある男性が、家電量販店で買い物をしようとしていました。ところが、店員の態度が悪く、全然積極的に売る気がありません。店員が自分を小さく見ていることに頭にきたこの男性は、「それと、これと、あれも買うぞ!」と3つの商品を指して言いました。すると、店員は急に態度を変え、ニコニコしながら積極的にセールスをするようになりました。この男性は、その店員の態度にとっても満足して、本当は大してほしくなかった品物を3点購入し、気持ちよく帰ったそうです。
日本人ですと、店員の態度が悪いと、「こんなお店で買ってやらない!」という気持ちになる人が多いと思います。でも、中国では自分の力を人に認めてもらえないと、メンツをつぶされた気持ちになってしまいます。自分には買う力があるんだということを店員に見せつけることで、メンツを保ったという、なんとも文化の違いを感じる話でした。
これは例え話なので、ちょっと極端ですが、中国人と大勢で食事をしに行くと、ぼくがおごる、私がおごると、誰がおごるかで伝票を奪い合うのを何度か見たことがあります。これも、メンツと関係していて、みんなにおごることができるような立場にいることは、立派なことだからなのですね。大勢に食事をおごることに関しては、日本にこの文化がなくて良かった・・・と思います。