春はさまざまな草花が新芽を出す季節。枯れていた草むらにも青々として若葉が姿を見せ始める。そしてこれからの季節は雑草がどんどん生えてきて、草むしりに追われることになる。手作業で抜くのはくたびれるし、薬をまくのは環境への影響が心配……中国ではこのほど、レーザーを使って除草作業を行うロボットが実用化に向けた取り組みが始まった。
■全天候型レーザー除草ロボットの開発が本格始動
湖北省武漢市にある華工科技産業の中央研究院とハルビン工業大学ロボット技術・システム国家重点実験室が昨年6月に正式に協力協定を締結し、中国初の全天候型レーザースマート除草ロボットの実用化に向けた研究開発プロジェクトが始まった。両機関が共同開発する中国初の全天候型レーザー知能除草ロボットは、「環境への汚染ゼロ、土地へのダメージゼロ、昼夜を問わず作業可能」という研究開発目標の達成を目指しており、現在、黒竜江省黒河市愛輝区で圃場試験が行われている。
■レーザーで雑草を枯死させる新技術
レーザー除草は、レーザーを雑草に照射して草葉内部の細胞を脱水し、破裂させることで雑草を枯死させる仕組みである。この仕組みを利用した除草技術の核心となるのが、除草ロボット内で統合されたディープラーニングによる人工知能(AI)技術。AIがターゲットの雑草を高い精度で識別し、作物を誤って枯れさせることなく要らない草だけを処理することができる。
■高精度アルゴリズムで効率的な除草を実現
開発チームは、除草効果をさらに向上させるため、複数のターゲットの位置を特定したり、動的遅延誤差を補正したりするアルゴリズムも特別に開発。ロボットは、雑草を正確に識別し成長点を特定できるだけでなく「作物にダメージを与えず、土壌を汚染せず、人手を必要としない」という環境にも人にも優しい除草作業を実現する。
ハルビン工業大学ロボット技術・システム国家重点実験室は中国で最も早くロボット技術研究を開始した機関の一つ。ロボット分野の革新に長年取り組んでおり、機構設計、知能的認識、自律制御、ヒューマン・ロボットインタラクション、システム統合といった基礎研究および応用研究を行っている。華工科技産業は「中国第一のレーザー企業」と称され、1999年に華中科技大学の機関として設立された。2021年3月には、大学から分離して企業となり、現在は武漢市国有資産監督管理委員会に移管された。
(出典:https://www.sohu.com/a/785845002_121124367)