電線の氷雪を自動で賢く取り除くロボット、中国から世界へ

■大きなリスクを生む、電線の着氷・着雪
3月に入って春めいた日も出てきた一方で、緯度の高い地域ではまだまだ厳しい寒さが続いている。寒い時期は水たまりや濡れた路面などさまざまなものが凍結するが、市民のライフラインの一つである電気を運ぶ電線にとって凍結は重みによる断線や停電、ギャロッピング(氷雪の付着による大振れ)・スリーとジャンプ(氷雪が落ちた反動による跳ね上がり)による電線の接触など、大きなトラブルを引き起こしかねない。

中国の湖南省や四川省、雲南省では今シーズン、中国電網湖南省電力公司が自主開発した電線の「除氷雪ロボット」を稼働させて電線の氷雪付着によるリスクの解消を実現した。

■小型でスピーディー、どこでも作業ができる除氷雪ロボット
この除氷雪ロボットは青くて小さなボディに、2本の長い足を持つ。ドローンを使って除氷雪ロボットを電線の上に乗せてセットすると、あとはロボットがモーターを回転させながら前進し、電線上の氷雪をガリガリと取り除いていく。電線に到着してから設置までの時間はわずか0.3秒で、1分当たり約200メートルの作業が可能だ。ドローンが飛べるところならどこでも作業できるため、これまで作業員が手作業で氷雪を除去していた場所だけではなく、人手では作業できなかった場所に積もった氷や雪もスイスイと取り除くことができるようになった。

■状況に応じて作業方法を変えるすぐれもの
しかもこのロボット、どこでも同じ動きをするのではなく、前方の氷雪の付着具合を確認した上で適切な作業方法を選択することができるというすぐれものなのだ。前方のカメラで状況をスキャンし、搭載されたハンマーとブレードを駆使することで確実に氷雪を落としていく。カメラの映像はリアルタイムで地上に送られ、作業の精度向上や不具合の早期発見に役立つ。。

■欧州との協力プロジェクトに導入で広がる活躍の場
同社の関係者は、特に標高が高い山間部の送電線での手作業による除氷雪作業のリスクを解消したとその効果について説明する。中国各地の安全な電力利用に大きく貢献する青くて小さな「除氷雪ロボット」は、中国政府が展開する欧州とのスマートエネルギー協力プロジェクトにも盛り込まれたという。その活躍の舞台は世界の寒冷地域にまで広がることになりそうだ。

(出典:https://www.sohu.com/a/862669159_118779)