広東省深圳市で1月、粤港澳(広東・香港・マカオ)大湾区の相互接続を象徴する市内初の海底トンネル「媽湾海底トンネル」が開通した。中国国内最大となる直径15.5メートルのシールドマシンで掘削された大型海底トンネルとしても注目を集めた。
■全長8.05km、深圳の新たな交通大動脈に
着工から5年の歳月を経て完成した媽湾海底トンネルの開通式が、1月21日に行われた。トンネルは南山区の幹線道路・月亮湾大道を起点として北へ向かい、前海湾を横断し、宝安区の西郷大道まで続く全長は約8.05キロ。海底トンネル部分と地上道路に分かれており、都市高速道路に分類される海底トンネル部分は片側3車線で設計時速80キロ、都市幹線道路扱いとなる地上部分は片側3車線で設計時速40キロとなっている。
■国内最大直径の海底シールドトンネル
媽湾海底トンネルには2つ海底シールドトンネルマシンを使って掘削が行われ、「鵬程号」と「媽湾号」がそれぞれ約2キロを掘削した。また、いずれのシールドマシンも直径が15.5メートルとなっており、中国国内では最大の直径を持つ海底シールドトンネルになった。直径15.5メートルのシールドマシンの高さは5階建てのビルに相当し、推力は最大2万7000ニュートンメートル(N・m)を誇る。これは、長征五号ロケットの離陸時推力の2倍に相当するとのことだ。
■技術革新で施工の難題を克服、85以上の受賞歴
トンネル工事は2019年7月に着工。建設チームは新技術を積極的に採用し、技術革新やスマート施工によって従来の技術的な壁を次々と突破してきた。特に、埋立地における大規模な基礎工事、超大型シールドマシンによる海中での向かい合わせ施工、軟弱層と硬質層が混在する地盤での掘削といった難題を克服し、その成果は省や官庁級を含む85項目以上の賞を獲得してきた。
■深圳の交通ネットワークを強化、さらなる発展へ
深圳市交通運輸局の関係者によると、媽湾海底トンネルは深圳南山港区の港湾物流ルートを補完するとともに、媽湾、赤湾、大鏟湾エリアを結ぶ旅客輸送もカバーするとのこと。開通によって交通輸送効率が大幅に向上し、都市の発展に向けた空間の拡張と統合が一層進むことになるという。市交通運輸局では今後、幹線道路の延長など主要交通プロジェクトを加速させて市内の交通ネットワークをさらに充実させることで、粤港澳大湾区の発展をさらに後押しする方針だ。
(出典:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1821929798867497623)