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2024.01.24
上海語ドラマ「繁花」の放送でブーム到来!今上海で最も話題のスポット

 

2023年12月27日より、中国ではドラマ「繁花(ファンフアー)」が公開された。上海出身の作家・金宇澄の同名の原作を、香港の監督ウォン・カーウァイが3年に渡り撮影をした力作。ドラマは2週間に渡り全30話が放映され、上海人の間で大きな話題となった。

 

話題となった理由は、まず登場人物の多数が「上海語」で話したこと。原作でも上海語が使用されているが、全国的にテレビ放映されるドラマでは、多くは「普通語」と呼ばれる中国語共通語を用いて製作されることがほとんど。上海語は上海で話されるマイナー方言のため、上海語の全国区のドラマは皆無だった。「繁花」では上海語を話す俳優 (上海のネットの有名人や昔活躍したスポーツ選手も登場!)を多く起用し、台詞は一部の登場人物を除き上海語ばかりである(ドラマの中国語標準語バージョンももちろんある)。

 

そして、1990年代の「ちょっと前の」上海が舞台であったこと。上海株式取引市場が開設され、経済が上向きになって来た頃の活力がある時代、今のようなスマートフォンやインターネットがないちょっと不便な時代への郷愁を視聴者に感じさせるのだろう。ドラマの中で街の風景が登場すると、その時代の上海を生きてきた世代にはとても懐かしさを覚えるという。

 

 

既に最終話放映が終了している「繁花」だが、それでも「繁花」熱はとどまるところを知らず、ドラマに登場したスポットを巡ることが今の上海ではブームになっている。まず、ドラマ登場スポットで最も訪問者が多いのが、「黄河路」。こちらは1990 年代初めにグルメストリートとして開発され、沿道に多くのレストランが立ち並び、毎日食事をする人で賑わい(接待向きのお店が多かった)、盛況なエリアだった。かつてきらびやかな黄河路のレストランで贅を尽くした食材を使った料理で客人を接待し、商売の契約を勝ち取ることは一種のステータスだったという。

 

実は現在の黄河路はかつての賑わいはもうなくなっている。1997年終わりにアジア経済危機のあおりを受け、多くの企業が経営危機に陥り、株価も低迷したことから、接待ができる余裕もなくなり、黄河路のレストランにも影響が及んだ。その後2000年初めのSARS流行により、更なる打撃を受け、かつての高級店はより手頃な価格帯に業態変更したり店じまいとなった。今回繁花ブームで注目される前は、沿道に多く飲食店がある、人通りはそれほど多くない場所だった。

 

まずは今の黄河路の様子から紹介する。

 

人民広場側から黄河路に来ると、まず目に入るのがこの行列。

 

 

1934年築の「国際飯店」1階で販売されている「蝴蝶酥(フーディエスー、直訳:蝶パイ)」を買い求める列だ。数ある上海の老舗が販売する蝴蝶酥の中でも、こちらの国際ホテルのお店売られているものの味が最も美味しいとの評判。いつも長蛇の列だが、黄河路を訪れる人が増えた影響で、最近はいつにもまして蝴蝶酥を買い求める人の列が長くなっていた。

 

黄河路で最も注目を浴びているスポットが「苔圣园(日本語漢字:苔聖園、タイシェンユエン)」。

 

 

こちらはドラマの重要人物が開店している、黄河路で最も華やかで高級なレストラン「至真园(日本語漢字:至真園、ジージェンユエン)」のモデルになったお店。このお店をひと目見ようと、また写真を撮ろうとして連日多くの人が訪れている。あまりの人出に警官も出動して交通整理にあたっている。

 

黄河路を北上する。こちらのお店は「粤味餐厅(ユエウェイ ツァンティン、訳:広東料理レストラン)」。このレストランは唯一ドラマと同名のレストランとして登場するため、店の前は写真を撮る人がたくさん。人気を集めていた。

 

 

また、黄河路ではないが、主人公及び重要人物が住む設定の「和平饭店(日本語表記:和平飯店フーピン ファンディエン)」も、人気スポットとなっている。1929年に上海一のイギリス人富豪であった、ヴィクター・サッスーンが建造。外灘の歴史的建築群の中でも一際目を引く三角の緑屋根は、サッスーンの住まいだった。現在1階ホールで「繁花」の展示が行われているという。和平飯店は黄河路からも歩ける位置にあるので、散策がてら行くとよいだろう。

 

 

加えてドラマの重要人物が開店する食堂がある「进贤路(日本語漢字表記:進賢路、ジンシエンルー)も今、多くの人が訪れている注目スポットである。

 

また、それに派生してドラマで主人公が食していたメニューへも注目が集まった。そのひとつが「泡飯」。当ブログでも紹介したことがある、「湯漬け」である。主人公が「泡飯」を食べているシーンが多用されたことから、主人公の名前をとって「宝総泡飯(訳:宝社長の湯漬け)」と命名され、その名称のメニューを提供する店まで現れた(きれいめな器に漬物など数種を盛り付けたその実簡単なものであるが・・・)。

 

 

またもうひとつの注目メニューが「排骨年糕(パイグーニエンガオ、直訳:スペアリブと餅)。ドラマの中で主人公や重要人物がこのメニューを食べるシーンがあり、話題となった。上海市民に愛されているメニューであるが、豚スペアリブ肉を揚げ、餅(韓国のトッポギ風)を添え、ソースをかけて食べる。

 

 

繁花で大盛り上がりの上海。繁花人気にあやかり、街中の店では繁花メニューの打ち出しに一生懸命。ドラマのストーリーとはあまり関係ないが筆者は繁花にちなんだコーヒーをカフェで見たことがある。ドラマ版の放映は終了したが、今後は映画版も公開予定とのことなので、今後まだ暫くブームは続くことだろう。

 

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