毎日の三度三度の食事に何を食べるかは意外に大きな人生のテーマ。今日は上海ならではの朝食にスポットを当ててご紹介する。上海に限らず、中国では朝ごはんを外食や外で購入することが一般的。その朝ごはんのメニューも地域により特色がある。
上海の場合、昔ながらの朝ごはんメニューとして挙げられるのが「4大金剛」。「金剛」とは金剛神や金剛力士と訳される神々しい単語。さしずめ「4天王」といったところ。上海で昔から愛される朝の4大メニューを指している。上海の朝ごはん屋でローカルメニューを食べてみた。
日本語で「餅」と聞くと、日本人はあのお正月によく食べる「おもち」を想像するが、中国語で「餅(ビン)」は、小麦粉を水で練った生地を焼いた食べ物。主食として食べる。餅にも中国各地様々な種類があるが、上海の朝ごはんで人気の大餅は中に砂糖が入った甘口のもの。
2.油条(ヨウティアオ)
「中華式揚げパン」と訳されることが多い油条だが、これも日本人が普通に想像する「揚げパン」とは一線を画している。これも小麦粉を水で練った生地(大餅よりも水分多めでどろどろしている状態)を油で揚げたもの。形は細長い棒状をしている。これも大餅同様、特に味がついているわけではなく、そのままで食べるとシンプルな味。豆乳に浸して食べると美味しい。
3.糍飯糕(ツーファンガオ)、糍飯団(ツーファントゥアン)
糍飯(ツーファン)は餅米を蒸して炊いたご飯のこと、この形を整え、油でカリッと揚げたものが糍飯糕。糍飯団(ツーファントゥアン)は餅米ご飯に漬物、アヒルの卵の塩漬け等の具を入れて棒状にギュギュッと形を作ったおにぎり。油条を具にしたボリューム満点の糍飯団も注文できる。
4.豆浆(ドウジャン)
豆乳のこと。豆乳は広く中国で朝ごはんメニューとして飲まれている。中国ではホットで飲む、しょっぱい豆乳もあるのが特徴。しょっぱい豆乳は、醤油、酢、干し海老、ノリ、漬物、ネギが入れられた碗に熱々の豆乳を流し入れて作る。まさにスープ感覚で飲める豆乳である。ここに油条を入れたり、ちょこっと漬けて食したりする。
上海の4大朝食メニュー「4大金剛」が揃ったのが下の写真。この時は大餅、油条、糍飯糕、甘い豆乳をオーダー。
古い町並みが残るエリアでは朝の時間になると4大金剛を出す店があり、朝から結構な人が買いに来たりしている。4大金剛は朝ごはんメニューの中でもささっと食べられ、栄養も満点なところが人気の秘密だろう。
他にも上海で定番の朝ごはんメニューとして肉まんや野菜まん、麺、数年前に上海で大人気を博した雑粮餅などもある。一日の活力源となる朝食、中国を訪れたら街に出てご当地で人気の朝食メニューを味わってみたい。
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