2026年スタート! 中国の元日連休旅行トレンドを振り返る

2026年最初の旅行ピークとなった元日連休は、「3日休めば8連休」になるという休暇取得術が広まったこともあり、国内旅行・海外旅行ともに例年以上の盛り上がりを見せた。今年の元日旅行市場では、「アジアへの短期旅行」「ノービザ旅行」「氷雪観光」という3つのトレンドがはっきりと見えてきた。それぞれのトレンドについて詳しく見てみよう。

■海外旅行の主流は「近くて短い」アジア旅行

海外旅行の人気はアジアへの短距離旅行に集中し、海外旅行先人気トップ10の都市はすべてアジア諸国が占めた。多くの人がアジアを目的地に選んだ背景には、距離的な近さによる移動時間の短さに加え、冬でも過ごしやすい気候といった要因がある。手軽さと快適さが、限られた休暇を有効に使いたいというニーズと合致した結果と言えるだろう。

なかでも韓国・ソウルとタイ・バンコクは特に高い人気を集め、目的地ランキングのトップ2となった。ソウルについては、日中関係の悪化を受けて政府が日本への渡航自粛を呼び掛けていることや、中韓関係が回復基調にあることも影響した可能性がある。また東南アジアでは、「海島遊(アイランドホッピング)」や「避寒遊(暖かい地域で冬を過ごす旅)」といった旅行スタイルが広がり、結果として「近くて短い」アジア旅行が海外旅行の主流であることを明確に示す形となった。

■「ノービザ」が拓く新たな旅の選択肢

アジア近距離旅行が主流となる一方で、より遠方の新たな目的地へと関心を広げる動きも見られた。その背景にあるのが、各国で進むノービザ滞在政策の拡大だ。

渡航の利便性が大きく向上したことで、ジョージア、ウズベキスタン、カザフスタンといった中央アジア諸国への航空券予約数は、前年の元日期間の2倍以上に増加したという。ノービザ政策に合わせて航空路線も拡充されており、ブラジルへの航空券予約数は約4倍に達した。また、1月2日から中国人向けノービザ入国を開始したトルコも、今後中国人観光客の新たな人気目的地となる可能性が高い。

■国内で大ブーム 白銀の世界「氷雪観光」

続いて、中国国内旅行の動向を見てみよう。中国では近年「氷雪観光」が一大ブームとなっており、今回の元日連休においても国内旅行最大のトレンドとなった。その中心地となったのが吉林省で、連休中には811万人もの国内観光客が訪れた。

長白山景区の観光客数は前年の元日連休比で41%増加し、長春氷雪新天地では観光客数が81%増、売上高は約2倍に達するなど、爆発的な成長を見せた。期間限定で開業する黒竜江省のハルビン氷雪大世界をはじめ、中国東北部各地の雪景色や氷雪イベントも多くの観光客で賑わった。

氷雪観光の人気は観光地そのものにとどまらず、飲食、宿泊、交通といった周辺消費にも波及し、地域経済全体を活性化させる原動力となっている。「寒い地域が“ホット”な冬」という表現が定着しつつあるのも、その盛況ぶりを象徴している。

■広がりを見せるインバウンド観光

ここまでは中国人の旅行トレンドを3つにまとめて紹介したが、外国人による中国旅行、インバウンド観光のトレンドについても触れておこう。元日連休中はインバウンド観光も活況を呈し、なかでも海南省は「免税ショッピング」と「海辺リゾート」を組み合わせた独自の魅力で注目を集めた。三亜市のインバウンド関連予約数は前年同期比で170%増加し、国際線航空券の予約数も5倍以上に伸びたという。マレーシア、タイ、韓国からの旅行者が多かった点も特徴だ。

さらに注目されるのは、インバウンド需要が一部の有名観光地にとどまらず、四川省アバ・チベット族チャン族自治州の理県や、黒竜江省黒河市といった地方の「ダークホース」都市へと広がり始めている点だ。これは、海外旅行者が中国の定番ルートに加え、より多様な文化や自然体験を求め始めていることの表れと言える。

■2026年の旅トレンドは

2026年の元日旅行を振り返ると、「近くて手軽なアジア」「ノービザ」「氷雪観光」が主要なキーワードとして浮かび上がる。これらの動きからは、利便性を重視しつつも、非日常的な体験や地域固有の魅力を求める旅行者心理が読み取れる。

今年の旅行市場はまだ始まったばかりだ。2月には「史上最長」とも言われる春節9連休、4月初旬には清明節、5月初旬にはメーデー連休が控えている。元日連休で見られたこれらのトレンドは、今後の大型連休においても引き続き注目されるだろう。

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