2月8日の春節が近づくにつれ、日増しに街行く人や車両が少なくなっていく北京、上海、広州、深圳などの大都市。大都市で働く地方出身者たちの帰省ラッシュが始まり、バスや地下鉄の利用者も少なく、道路もガラガラ。日ごろ、大渋滞している道もスイスイと移動でき、つかの間の快適さをあじわう都市居残り組ですが、便利なだけではなく、中・小規模の飲食店を含め、多くの店舗が春節期間中は休業になるため、外食産業が盛んな大都市では不便な一面も。
大晦日にあたる7日の夜、上海ではどんなに大きな商業施設でもだいたい18時前後に閉店、飲食店は軒並み休業なので、外国人をはじめ、普段自炊せず外食に頼るホワイトカラーも「ディナー難民になりそう」と苦笑い。地方出身者が多く働く大都市では、従業員不足で仕方なく休業する飲食店や百貨店が多いのです。
また、北京市郊外のマンション地区で野菜を販売していた河南省出身の青年も春節は帰省するため休業、「春節中は遠くのスーパーまで行かないと買い物ができないので不便」とぼやくマンション住民は、やむなく春節前に買い溜めです。地方出身者が大都市を離れると少なからず影響が出る、都市住民の生活スタイルが浮き彫りになります。
一方で、地方の有名な観光地は到るところ人、人、人で大にぎわい。家でゆっくりと加速団らんというお正月を過ごす、定番の時代は過ぎたのでしょうか。地方の観光地は各地より訪れる見物客でまさに「人の気」であふれるお正月を迎えています。
例えば、四川省楽山市の「楽山大仏」では、いわゆる元旦にあたる8日に大仏を見物するため、国内外から観光客が集まり、長蛇の列ができたそうです。絶壁を巡る階段や桟道も人でいっぱい、世界最大の大仏を前に「人がアリのように群がっている状態」という報道もあるほどのにぎわいです。
日本では、春節の「爆買いツアー」も話題になっていますが、この春節休暇に国内外へ旅行する人が年々増えており、お正月の過ごし方も変わってきているのかもしれませんね。