1月25日は香港の新年。新年になると香港の人々が訪れるのが黄大仙寺院と車公廟である。黄大仙寺院はガイドブックなどでも詳しく掲載されている寺であるが、今回は車公廟についてご紹介したい。
車公廟の正門
車公廟は宋代の将軍である車公を神格化し奉っている。現在の車公廟は、約100年前に建立された。建設以来、洪水や疫病から地域の民を守ってきた為に幸せをもたらすという評判が広がり、香港中の人が参拝に訪れるようになったそうだ。
1年を通し香港内外から多くの人が訪れる廟ではあるが、中でも最も賑わうのが旧正月の2日目及び3日目である。人々は元旦に黄大仙寺院を訪れる。そして車公廟は旧正月の第2日に行われる車公祭 或いは 第3日に参拝をする、という市民が多い。正月第3日目は「誰かとあうと喧嘩をしやすい」という言い伝えがある為、人々はお互いに訪問し合うのを避けて、寺院の参拝などをして過ごす為である。
車公廟も旧正月を迎える準備が始まっていた(正月前に撮った写真)
本堂に入ると車公の巨大な像が奉られている。神格化され奉られている像の為に写真は省くが、大きな車公像からは力強さが伝わってくる。
そして、車公廟の両脇には小さな銅の車輪(風車)が置かれている。人々はこの車輪を3回まわすと願いが叶うと信じており、車公像への参拝のあとは車輪を回してから帰途につく。
外から見た本堂のようす
本堂内の車輪(風車)
本堂以外にも、車公廟の境内には多くの風車が飾られている。
境内に飾られている大きな風車
旧正月の参拝を終えた人々は、みなそれぞれ小さな風車を手にしている。最寄の駅のホームでは風車を持った人が多数乗ってくるので、すぐ参拝後の人だという事が分かるほどだ。
廟のすぐ近くにできた旧正月期間限定の露店
境内の中やこの露店で、人々は縁起物を買い求める。
露店には多くの縁起物が売られているが、一番の人気は風車だ
香港の旧正月の風物詩とも言える車公廟への参拝の様子、そして真っ赤な風車がまわる様はぜひご覧頂きたい正月の光景だ。(文/写真 香港コーディネーター 矢島園子)
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