コンビニ、スーパー、カラオケボックス、フィットネスジムなどで、「無人化」が話題となっている中国。2018年1月28日、上海から高速鉄道で約1時間の浙江省杭州市に無人レストランがオープンした。
杭州初の無人レストランと24時間対応の無人コンビニ
このレストランは、ちまきで有名な老舗の「五芳齋(wu fang zhai/ウーファンジャイ)」とアリババ・グループとのコラボ・レストランで、「無人智慧餐庁(INTELLIGENT RESTAURANT)」と呼ばれる。
2月16日の春節を迎える週のはじめに、この「無人智慧餐庁」を体験してみた。入店すると、すぐに目につくのが、店内備え付けの大きなタッチパネルで、ここから注文でき、またアリペイ(支付宝)や口碑(コウベイ)のアプリをダウンロードしてからのアプリ注文もできる。もちろん、支払いはモバイバル決済だ。
タッチパネルでの注文はあっというまに完了する!
タッチパネルでの注文は、入力から支払いまで15秒もかからずに完了する。ここまでは、すでに他ファーストフードで導入されているシステム同様の操作だ。
食事を受け取るボックス前が混雑している
注文が完了すると厨房にデータがとどき、調理スタート。調理が完成し、注文した料理が出来上がると、「準備ができたので、ボックス前に取りに来て下さい」とのメッセージがスマートフォンに届く。
出来上がると、ショートメッセージやアプリで通知
メッセージを受け取ると、ボックスまで行き、受信メッセージのQRコードをスキャンするか、あるいは、スマートフォン上で指定箇所をクリックすると、指定のボックスが開く。中には注文した料理が準備されているので、これを受け取るしくみとなっている。シンプルな操作なのだが、どこをスキャンするのかなど、詳しく説明がないので、とまどう人が多い。
手順が分からず、店員の説明を受けている
本来、このしくみであれば、とくに店員とのコミュニケーションは必要ない、はずではあるが、実際は、こうしたしくみがよく分からず、注文した後にどうすればよいのか、よくわからないため、フロアにいる店員は質問攻めにあい、てんてこ舞いだ。
「この後どうする?」「どうスキャンするの?」と来店客から聞かれる質問はほぼ同じ内容。春節前とあって、人手不足なのか、こうしたしくみを説明するかたわら、テーブルの片付けや現金対応まで1人のスタッフでこなしていた。また、平日の13時すぎではあったが、店内は遅めのランチをとる人で満席のうえ、立って空席を待つ人で、混雑している。
ボックスに準備されている料理をとりだす
厨房も人手不足なのか、注文してから食事が出来上がるまで、かなりの時間がかかっている。ちまきとスープで約20分待っていたが、周りにも「30分待っているけど、どうなっているの?」とスタッフに迫る女性のグループや「これならデリバリー注文すれば良かった」などといった不満をもらす人も少なくなかった。
「これをこうするの?」客同士で使い方を研究?
とくに入店してから料理を取り出すまでの流れやシステムなど運用オペレーションがあまり明確でなく、注文方法にとまどう人も多かった。スマートフォンの操作方法を一つ一つ説明してまわるスタッフも対応が追いついていない。「無人レストラン」という珍しさから来店する人も多いが、今後のオペレーションの改善に期待する。
24時間対応のコンビニもある
レストランには、24時間対応の無人コンビニも隣接している。
ちまきやドリンクなどを販売しているコンビニ
五芳齋 無人智慧餐庁:浙江省杭州市文三路478号
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