夏の夜食の王者:ザリガニ

2025年の夏が近づいてきました。中国における夏の夜食の王様はやはりザリガニ料理です。

 先日、中国のザリガニを紹介するロケに参加しました。今回のロケでは養殖場からレストランまでザリガニ食の現場を広く体験しました。アメリカでは厄介がられている生物ですが、中国では、大人気の食材なのです。


中国のザリガニ産業は大規模で、全国的に広く生産されています。データによると、2023年の生産量は316.万1000トン、養殖面積は約19666平方キロに達しました。加工企業は主に湖北省など 5省に集中しており、全国へ8140トンあまりを出荷しました。また、2022年時点で、中国のザリガニ料理専門店は約4万店舗もあります。ザリガニ飲食産業売上は約3122億元に上ります。

 ロケ地は浙江省嘉興市海塩県の養殖場でしたが、ここに限らず中国全土におけるザリガニの養殖のうち8割は「稲蝦輪作」という方法が用いられています。「稲蝦輪作」とは、「稲とザリガニが共生する」生態を利用し、稲を育てる田で同時にザリガニの養殖も行うというモデルです。稲田の雑草や害虫を食べるザリガニの排泄物で田を肥やすことで、農薬と化学肥料の使用量を大幅に減らすことに成功しています。農民は収入が増え、エコな育成環境も実現できる一石二鳥の方法です。現地では「塩邑ザリガニ」という名でザリガニのブランド化に力を入れるとともに、「ザリガニ文化祭」を5年連続で開催し、さらに取引市場やエコロブスターシティを整備して、大手企業を誘致して稲ザリガニ米の加工を拡大し、ザリガニ料理の生産を推進しています。2023 年の稲ザリガニ米の加工量は1.9万トンを超え、養殖者の収入を2400万元増加させました。農業と観光の融合も進み、エコツーリズムを通じて環境保護と経済発展の両立を実現し、地方活性化に貢献しています。

 その一方で、中国の飲食業界では、ザリガニに対する品質と調理の味においては、一層昇進してます。マ-ラ-(麻辣)、ニンニクガーリック、十三香、油焼き、冷製、塩卵黄などの定番味を中心に、一部の店ではトムヤムクン、山椒、チーズグラタン、ザリガニの漬物などの多様性を展開して、幅広い客層のニーズを満たす。KFCなどファストフード店もメニュー革新して、ザリガニハンバーガー、ピザ、パスタ、サンドイッチ、おにぎり、ちまきなどのクロスオーバーメニューを生み出す。Lay’sポテトチップスまでザリガニ風味の味はあります。

 ザリガニは食材としての養殖歴史はまだ浅いけれども、これからも中国では、大人気な食材として、中国の飲食業界の消費をリードして行くと思います。