先日閉幕した杭州アジア大会。中国は金201個、銀111個、銅71個の計383個のメダルを獲得して圧倒的な強さを見せるとともに、大会運営にあたって技術力の高さも世界に強く印象付けた。今回は、中国メディアが挙げた杭州アジア大会における「黒技術」(ブラックテクノロジー)トップ10を紹介しよう。
■世界初の点火式と、バーチャル花火
1つ目は、開会式に登場したデジタル聖火ランナーによる世界初のリアルとバーチャルが融合した点火式だ。開会式の演出チームによると「すべての人がデジタル世界でアジア大会に参加できるように」という思いを込めて数年の時間をかけて準備を進めたという。2つ目は、同じく開会式で披露されたバーチャル花火。リアルな花火よりもエコで安全なほか、AR技術を駆使することで様々なアングルからの観賞を実現した。2008年の北京五輪で疑惑の対象となったバーチャル花火が、15年の時を経てエコと技術の象徴として堂々と登場したのは感慨深い。
■巨大透明スクリーンと、大活躍のロボットたち
3つ目は、やはり開会式で使用された世界最大のエアスクリーン。幅約5メートルのLED透明スクリーンユニットを多数並べてできた全長185メートル、高さ20メートルの超巨大スクリーンは、映画館のIMAXスクリーン9枚分に相当するとのこと。風で揺れるなどの課題を克服するために、設置に当たっては綿密な計算と試行錯誤が行われたようだ。4つ目はあちこちで見られたロボットたち。試合会場では歌って踊って盛り上げ、選手村ではピアノを演奏してアスリートたちを癒やした。警備や救護、道案内や各種物資の輸送といった任務もこなし、陸上競技会場では四足のロボット犬が円盤投げ用の円盤も運んでいた。
■リアルとバーチャルを融合したARバス
5つ目は裸眼3D技術。開会式の演出だけでなく、大会の様々なシーンにおいて裸眼3D技術が活用され、大会マスコットたちがスクリーンから飛び出して臨場感あふれるパフォーマンスを行って観客の目を楽しませた。6つ目は選手村で運用されたARスマートバス。車内には2つの高精細スクリーンが備えられ、車外のリアルタイム映像にバーチャルを組み合わせた映像を表示することで、乗客に斬新な乗車体験をもたらした。7つ目は、競技結果をわずか5秒で発表して各システムに送信するクラウドプラットフォームシステムを挙げている。
■超高速5G通信に、デジタルアロマ技術
8つ目は、大会の順調な開催を支えた屋台骨と言える、交通指揮派遣プラットフォームと、マスター運営プラットフォーム。9つ目は10ギガビットの超高速通信によるダウンロード、Rインタラクティブゲーム、8Kライブ放送などの革新的なアプリケーションのスムーズな体験を実現した5G通信技術だ。そして10個目は、大会会場に設置された、キンモクセイやトンポーローなどの名物料理の香りを再現するデジタルアロマ発生システムである。
3年後の2026年に行われる次回のアジア大会の会場は愛知・名古屋だ。環境に優しい「グリーン」をテーマに最新技術を世界に披露した杭州アジア大会に対し、愛知・名古屋アジア大会はどんな特色を打ち出すのだろうか。
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