今年も早いものでもう11月に入った。秋に入っても暑さが続いたことでなおさら「もう11月なのか」感が強いが、中国では今年も11月11日の「独身の日ネット通販セール」が間もなくやってくる。新型コロナ後の景気回復が鈍く消費が冷え込んでいること、量より質を求めようという消費者の指向の変化により数年前の最盛期に比べればいささか低調になるかもしれないが、それでも多くの中国の消費者がこの日の「爆買い」を楽しみにしていることだろう。
■物流を支える「受け取りステーション」
「11・11」のイベントで目が回るほどの忙しさとなるのが物流業界だ。気が遠くなるほど莫大な量の荷物を滞りなく注文者に届けるというのは至難の業であり、いつまで経っても品物が届かない、あるいは注文していない荷物が届くといったトラブルもしばしば起きる。また、せっかく無事に届いたのに留守でなかなか受け取れないというケースもある。配達する側、受ける側にとってありがたいのが「菜鳥ステーション」のような「受け取りステーション」の存在だ。今年の「11・11」では、「菜鳥ステーション」での受け取りサービスがさらに進化したという。
■24時間荷物が受け取れるように
まず、一部のステーションで24時間の受け取りが可能になる。今年4月にはすでに一部の都市で夜遅くに帰宅する消費者向けに午前0時まで受け取り可能な夜間サービスを提供していたが、「11・11」の期間中はこれを24時間営業に拡大するという。対応のステーションはドアロックシステムが完備しており、深夜の時間はアプリでドアの2次元コードをスキャンした上で認証を行うとドアが開き、自分の荷物を取り終えるとドアが自動で閉まるという。時間を全く気にせず受け取れるというのは、ありがたいサービスだ。
■自分の荷物の位置がわかる「棚マップ」
次に、業界初となるステーション内のナビゲーション機能「棚マップ」が導入される。荷物が指定のステーションに到着すると、アプリ上に「実景から荷物を探す」というボタンが出現し、これを選択するとステーション内のラックレイアウトが表示され、自分の荷物が何番のラックにあるかが分かる。さらに、荷物があるラックをタップするとラックの何段目に置かれているかも視覚的に表示してくれる。あれこれ購入して複数の荷物を一度に受け取る場合、1つ1つ荷物の場所を探し直す手間が省けそうだ。このサービスは現在広東省広州市にある500近いステーションで導入されているという。
■「ラストワンマイル」は自分の足で
日本でも自宅以外で荷物を受け取れるロッカーのサービスが展開されているほか、一部のコンビニが受け取りステーション的な役割を担っているが、中国に比べれば規模は非常に小さい。商品をネット注文する機会が増える一方で宅配業界では人手不足が慢性化する傾向にある。日本でも「菜鳥駅站」のようなサービスが普及し、宅配業界の「ラストワンマイル」を消費者自ら担当することが当たり前になる時代が、近い将来やって来るかもしれない。
(出典:https://www.gd.chinanews.com.cn/2023/2023-11-08/431474.shtml)
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